山紫水明∽時事無碍∽計算機自然 落合陽一個展に行ってみた話

[山紫水明∽時事無碍∽計算機自然] 最近よく聞くメディアアートとは、実際の作品とは

 

*ここで紹介するのはあくまで一意見です。また、あくまでメモ程度のもので本格的にまとめたものではないです。つまり単語の意味やコンテクストを正確に伝えきれるものとは思っていないです。あくまで自分で見る際の参考や、見た後の他の人はどう感じたかの把握、またこれから理解する際の参考程度に考えて読んでください。(写真、文章に問題のある場合も是非お教えください

 

 

普段はゲーム制作関連の記事を書いているブログですが、今回はふと書きたいと思ったことと、明日までということでこちらに書いてみました。

今後もこういうものをこのブログに書くか、別に作るかは考え中です。ではどうぞ。

 

 

 

非常に考えさせられ、有意義な時間だった、とは簡単に言えるが、実際のところどうだったのか伝わらないであろうので、実際にその時取ったメモに少しの補足をしつつ、ほぼ見たまま生の感想を書いていく。

 

 

 

 

正直前日に予定がなくなり、「そういえば明後日までらしいし、今話題の落合陽一さんの個展いってみっか」というその場の思いつきで行ったのであまり前情報や詳しい場所といったこともわからず行った。

まずは建物に入ってすぐに建物全体を貫くフロアの部分に虫のパネル。これはツイッター等で見かけていたので場所があっていることがわかった。これに関して具体的なことは後で。

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その後1階にはなさそうであったので、エスカレーターで移動していると、ある階についた時に正面に変なスペースを見つけた。そこが個展の場所だった。

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入り口は小さく低くなっており、屈まなければ入れない。その入り口の横には木といくつかの展示。これについてもとりあえずおいておく。

 

入り口を屈むとそこは薄暗い世界。これは出た後の考えだが、光を用いたものも多かったため、そのため必要以上に明るくならないように入り口を低くしていたと思われる。

 

 

 

入ってすぐの壁には個展自体の趣旨、落合氏のメディアアートに関して書いた文章。

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ここでは気になってメモした部分だけ紹介。

落合陽一の考えるメディア芸術は幽玄。これはイメージが幽、物質が玄というもの。この物質がメディアである。メディアに関しては少し後に説明。

これを読んで思ったこととして、私の幽玄へのイメージは逆で、そこにないのに確かを感じる、幽霊みたいなもの。つまり、物質が幽で、イメージが玄。

この辺り考えはまだまだ途中。しっかり考え自分の中で咀嚼しなければ。

 

メディアというのはフレーム。物事を何かの基準、枠組み、縛りの中で見ることで、切り出された視点、意味、文脈を持つ。

フレームを設置することで、鑑賞可能になる。

今回の個展では目に見えないものをメディアを通して見えるようにするという趣旨がある。

 

ここで入り口にあった様々なものに対してようやく理解が及んだ。

吹き抜けのものは置いておいて、入口の蛙のものはおそらく、黒色の液体(何か忘れた)によって磁力というものを目に見える形にしている。

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また、シャボン玉の膜によってチョウが見えるのも、光を膜に移すことで見える化している。

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落合陽一がやっていることは、非言語感覚と呼ばれるもの(おそらく感覚それ自体のこと)を、日本的な古典コンテクストで見て、それを現代のメディアで表現しようとしている。ということらしい?。侘び寂び、明鏡止水とか日本古来の言葉が多く用いられているのはそれゆえ。

 

 

そして、最近存在しだしたメディアアーティストというのは、その名の通り、メディアを作る、物事を見るフレームを作る人ということ。

 

 

 

ここからは実際の作品について触れていく。基本的にはまず作品を見て考え、それから題名を見て考え、その後説明を見て考えるというスタンスでやってます。

 

 

 

 

・波の形、反射、海と空の点滴

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まず始めに見た時は捉えどころがないと感じた。わけわかんない。

 

その後題を見て、全体的に広がる波模様。上から下へと広がる青のグラデーション。そして全体としての光の反射による不確実性。

そういったところに視点を移すことに成功した。

題名というメディアによって漠然とした作品を解釈するフレームを得た感じ。

そこからも具体的な解釈はできなかったので、説明を確認すると、鯖の模様から、空と海、境界という概念が抽出されていた。

光の反射ということで実際にライトで光が投射されていた。

最初に見た作品ということで全く解釈が進まなかったが、のちに期待という感じ。

 

 

 

・音の形、、(題名記録するの忘れてた、、すみません

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音を視覚で知覚する。

まず何も見ずに解釈。

これは音という振動を見える化するため、水を用い、さらに見やすくするために光を用いている。

水面の波に上から光を投射することで下の紙に影として波を写しだしている。

下の紙に映し出すのに、高さを作って見やすくもしている。

 

ここで解説を見ると、ただの音でなくイルカの声だということがわかった。イルカは超音波で活動する生き物。つまり、イルカの見ている世界は波の世界。ただの音というだけでなく、イルカの世界観を表すものとしての音、振動、影。

そして、それは新たな世界の伝達系統の示唆であるかもしれない。機械群の生み出すものは直接人間の目で見えなく、わからない。

 

 

一つカメラ(ミラーレス)で撮影時に気づき。音の振動によって光に色がつく。周波数どうこうの原理(下の写真、影がピンク色に見える

これは意図していたのかどうかは本人のみぞ知る(?

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・深淵の淵、内と外、人称の変換工程

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メディアをメディアとして知覚する?

目の写真で、原理的には特にはないのでわからない。唯一の工夫点としては目の光の反射をその位置に穴を開けて実際の光を裏から投射していたこと。人間の目の場合は真ん中以外も白く塗って(穴を開けて?)いた。(下の写真真ん中の白いところはライトによる

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解説によると、絵画に代表される二次元の作品は、網膜イメージを前提に考えられる。(網膜によって見えるものが網膜イメージ)

その網膜。つまりメディア自身を作品としたとのこと。

これについても、きちんと思考の上で述べる必要があるためこのぐらいで。

 

 

 

 

・計算機自然、生と死、動と静

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動きで生を知覚する。

本物の自然と、本物のモルファチョウ。その横にあるのは機械によってできたモルファチョウ。

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見た目ではもちろん本物が本物らしいが、機械の方には動きがある。おそらくその動きは計算され、本物の動きのように見える動き。

 

よく計算された自然は本物の自然と見分けがつかないということをツイッターで見かけるが、それを言っていた意味が少しわかった。

 

動きをつけるだけで、いっきに本物らしさがつくとともに、生きているという観点では、動きのある方がより自然らしい。

いくら本物でも動きがないという点で物であり、生き物として感じない。

 

 

 

・虫鈴、魚鈴

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音によって虫を知覚する。

それをガラスの振動と電気の衝撃で表現。虫というものを感じるためのメディアとしての音声装置。

魚の方は聞けなかった、残念。

 

 

・Morpho Scenery

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視覚の異常で物質性を知覚する。

これもよくわからない。望遠で、上下左右反転。そしてとにかく見てて疲れる。

ガラスかアクリルのパネルに波模様、方針円状の模様・凹凸を入れることで、風景が違ったものに見える。上下左右は逆だし、風景は綺麗に見えない。あと望遠に見える。

偶然かもしれないがエアコンの風によって揺れることで、風景に伸縮の動きがある。(吊るしているのは外の風景との対比でもあるが、動きを生むためのもので、その動きは予定調和のもの、意図されたものなのかもしれない。

 

風景を見た時ひとは物質性を忘れ、平面を感じる。特に遠景は。

それに物質性を思い出させる装置とのこと。

 

望遠であることは、遠景を近く見せることで、少しでも物質性を忘れる効果を弱めようとしているのかもしれない。

 

その後作品の下で機械音がするので見たところ、吊っている紐が張ったり、緩んだりする機構があった。また、紐の端の枠には紐よりもわざと大きな穴にしてあり、緩んだ際に揺れるようにしている。

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動きは予定調和であるが、エアコンによってでなく、下の弛緩緊張装置によるところだろうと結論づけた。

確かによく考えると、エアコンの風にしては揺れが大きすぎるし、揺れの向きもおかしかった。

あえて(?)下の構造に隙間を持たせて見えるようにしているのが優しい。

 

 

 

・Levitrope

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非人工的浮遊から身体性を知覚する。

浮遊と回転。この回転とは自転公転どちらも含む(どちらもしている。

浮いているので磁力は感じる。けど、磁力はもう別にあったし、それならわざわざこんなことをするまでもない。

 

これも本当にわからず解説。

重力というものからの解放から、身体性を感じると。これは人の介在しないことにより際立たせられる。手品でやると超能力と映るのの逆。

らしい。

 

 

・Silver Floats

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今までの複合形。

一個前の浮遊による物質性の解放に(重力的な)、波と反射による物質性の解放(視覚的な)。また、形状による不形感もある。

これは写真を同じ角度で何枚かとってわかったことだが、見るたび、より詳しくは自転により角度が変わるたびにそのシルエットが変わる。回転速度はものによって異なる。

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また、下が鏡になっている。これも不形を生み出すと考えられる。

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そして背景の色の変化によってさらに変化する。一度として同じ場面に遭遇できないのではないかと思わせる形状、色の変化、それらのタイミング。これらはきちんと計算されなければ導かれない。この常がない感じは自然として映る。

 

 

ようやく最初のフロアのものもMorpho SceneryやSilver Floatsに関連するものと分かった。

反射の仕方がものによって異なり、また意図したのかわからないがパネル自体が回転する。また周りの風景の変化もある。

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一部解釈の途中で止まっているものもあるが、そこはご自身で。

また、ここにあげた写真はあくまで切り取ったものであり、実際の動きの中でこそ感じること、わかることが多いと思うので、是非ご自身の目で確認してみてください。

明日までです。

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